薬剤師の独立開業のための準備として欠かせないのは、何より資金計画です。
本記事では、開業準備をスムーズに進めるための具体的な資金計画の情報を紹介していきます。

記事内で紹介する内容

資金計画
1.初期費用とランニングコストの具体的な算出方法
2.資金調達の方法

1.初期費用とランニングコストの具体的な算出方法

【初期費用】
初期費用とは、薬局を開業するために必要な初期投資額のことです。具体的には、以下の項目が含まれます。

①店舗取得費
・店舗の賃貸 or 購入費用
・敷金、礼金
・仲介手数料
②内装工事費
・店舗の設計、施工費用
・設備、什器の購入費用
③薬剤在庫
・処方薬・一般用医薬品の購入費用
④その他:
・許認可申請費用
・広告宣伝費
・各種保険加入費用

<初期費用算出のポイント
✓立地や規模
駅前の好立地は、患者様が多く来る可能性が高い分、賃料が高くなりますし、反対に駅から遠い場所は賃料が安い分、集患が肝になるため、処方箋元の医療機関の患者数や、施設との契約有無が重要になってきます。また、広い店舗は、内装工事費が高くなるため、医療圏となる場所の患者数(キャパシティ)も含めてどれくらいの大きさの店にすべきかも要検討すべきです。

✓見積もりを複数取得し、比較検討する
業者によって費用が大きく異なる場合があるため、必ず最低でも3社に相見積もりをしましょう。
信頼できる知人の伝手があれば、出来るだけ安くしてもらえるように交渉するのも一つの手です。

✓自己資金と借入金のバランスを考える
個人開業の場合、金融機関からの融資はほとんどの場合、マストになります。
その際、自己資金比率が高いほど、融資が通りやすくなり、金利負担を軽減できるというメリットがあるため、将来独立を考えている方は出来るだけ自己資金を貯めてから挑戦することを推奨します。

【ランニングコスト

ランニングコストとは、薬局を運営するために毎月発生する費用です。具体的には、以下の項目が含まれます。

①家賃:店舗の賃貸料
②人件費:薬剤師・事務員の給与
③光熱費:電気代・水道代・ガス代・インターネット代
④医薬品仕入代:処方薬・一般用医薬品の購入費用
⑤機器のリース代
⑥借入返済(銀行等)
⑦その他:消耗品費、各種保険料

<ランニングコスト算出のポイント>
✓収益計画と連動させて算出する
事業計画上の売上規模、上限に合わせて適切なコストを算出しましょう。
そもそものキャパシティに見合わない費用は最初から削る、もしくは最低限のもので済ませるといった工夫が必要な時もあります。

✓固定費と変動費を把握する
固定費は削減しにくいもの、変動費は売上によって変動するものとで分けます。
固定費は家賃、人件費、リース代、保険料等です。
変動費は医薬品の仕入・購入費用、証文品、光熱費等がイメージしやすいでしょう。

✓コスト削減対策を検討する
調剤薬局は、医薬品の共同仕入のグループや団体もあります。スケールメリットのある組織に加盟することで、単店で仕入れるよりも安く医薬品を仕入れることが可能になります。

2.資金調達の方法

初期費用とランニングコストを算出した後は、必要な資金をどのように調達するのか検討する必要があります。

①自己資金
一つは自己資金です。勤め人として働く中で出来るだけ貯めておくことは大事ですが、そのためには地方手当や役職手当、資格手当等を取得する等、独立前から自己資金を作るために収入を上げる行動をしていくことも必要になります。ただ、多くの人にとって、十分な自己資金を用意するのは難しいと思いますので、基本的には金融機関からの融資がメインになります。

②融資
銀行や信用金庫、日本政策金融公庫等から資金を借りる方法で、最もスタンダードな資金調達の手段です。個人開業の場合の調達金額の目安は2,000~3,000万円ほどですが、自己資金の比率次第では減額になる可能性もあるため、その点も留意しておきましょう。資金の目途がつかなければその分開業が遅れてしまうため、金融機関は出来れば同時に複数、相談出来ると良いです。また、当たり前ですが、ランニングコストにも大きく関わる部分ですので、金利や返済条件などを事前に確認する必要があります。

③補助金
地域によっては国や自治体から開業資金の一部を補助してもらえる制度もあるため、都度確認してみましょう。但し、補助金や助成金は申請してから交付まで時間がかかることと、最初の出費は自分がした上で、後からその補填がされるものがほとんどですので、あくまで足しになる程度のものと考えておきましょう。

まとめ

初期費用とランニングコストは、抜け漏れがあると収支計画に大きな影響が出るため、開業前に出来るだけ具体的な項目と金額を算出しておきましょう。必要であれば先輩経営者や、知人から情報をもらう動きもしてみるのも大事になります。具体的かつ信ぴょう性のある数字が出せれば、資金調達にもプラスに働きます。

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